紅茶の歴史
紅茶の樹は、緑茶やウーロン茶と同じツバキ科の常緑樹で、原種は中国の雲南省からチベット、ミャンマーにかけての山岳地帯に自生していたとされます。
お茶は、中国では有史以前からその葉を摘んで不老長寿の霊薬として珍重していたそうです。
初期には薬として高貴な人々が飲用し、飲み物として一般化したのは6世紀以降。このような普及の仕方は、紅茶にもコーヒーにも共通しています。
ヨーロッパにお茶がもたらされたのは17世紀で、海上貿易で世界に雄飛していたオランダによって、中国から伝えられました。それが18世紀のイギリス貴族社会で次第に人気を高めていきました。
当時のお茶は緑茶でした。それが紅茶となった経緯について定説はありませんが、中国のウーロン茶系のお茶がヨーロッパ人の人気を呼び、製造業者が買い手の嗜好に合わせてその発酵を進めているうちに、強く発酵した紅茶が誕生したといわれています。
日本の紅茶
日本が初めて紅茶を輸入したのは明治20年(1887年)で、たったの100kgでした。
その輸入は、原産地の中国からではなく、ヨーロッパ文化への憧れとしてイギリスから輸入されました。
紅茶が、日本の茶の湯の伝統にも匹敵する舶来の文化として、上流社会でもてはやされました。
かつて日本でも紅茶が生産されておりましたが、それは輸出品として生産されていました。
輸入が自由化された1971年以降、販売される紅茶は輸入品に切り替わり、紅茶の消費はティーバッグの導入や缶入り紅茶ドリンクの開発などを契機に、飛躍的に増加しました。